教職員
加藤 竜也(かとう たつや)

- フェアリー分子研究コア
- 主担当
- 教授
- Email:kato.tatsuya[atmark]shizuoka.ac.jp
- TEL:054-238-4937
バイオエコノミー社会の実現に向けて、生物機能を利用したバイオテクノロジー技術による有用物質生産が望まれている。私たちの研究室では、微生物やカイコを利用して組換えタンパク質やビタミン、冬虫夏草生産を行っている。
①カイコを用いた動物用ワクチン生産:カイコで動物ウイルスの構造タンパク質を生産することでウイルス様粒子(Virus-like particle)を調製して、動物用VLPワクチンを開発する。VLPはウイルスと同じ形をしており、体内に入るとウイルスと同じ免疫反応を誘導することが可能であるがウイルス遺伝情報を持たずウイルスと違い感染はしない。そのため、VLPはワクチンとして有効なプラットフォームとなる。
②糸状菌を用いたビタミンB2生産:ビタミンB2はヒトや動物は作ることができず、食事から摂取する必要がある。そのため、ビタミン剤や家畜飼料に添加されている。ビタミンB2を過剰生産する糸状菌の培養条件を検討したり、遺伝子工学的手法を用いて高生産株や変異株を作製することで、効率的なビタミンB2生産を行う。
③カイコを用いた冬虫夏草生産:サナギタケはカイコを宿主として子実体、冬虫夏草をつくる。その子実体には様々な活性を持つ物質が含まれており、漢方薬やサプリメントに利用されている。この子実体を効率的に生産するために、カイコへのサナギタケの感染を早める必要がある。サナギタケのカイコへの感染機構を解明することで、サナギタケのカイコへの感染を早め、効率的なサナギタケ子実体生産を達成させる。