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ニュース 2024.07.09

【プレスリリース】生成データ拡張手法でメロン等級判定AIの精度向上を実現

【プレスリリース】生成データ拡張手法でメロン等級判定AIの精度向上を実現 図1.メロンの等級判定の例
【プレスリリース】生成データ拡張手法でメロン等級判定AIの精度向上を実現 図2.メロン等級判定AIの精度向上に寄与する新たな生成データ拡張手法(A等級生成の場合を例示)
【プレスリリース】生成データ拡張手法でメロン等級判定AIの精度向上を実現 図3.新たな生成データ拡張手法によるラベル付け画像

国立大学法人静岡大学(所在地:静岡県静岡市、学長:日詰 一幸、以下、静岡大学)は、株式会社大和コンピューター(所在地:大阪府高槻市、代表取締役社長:中村 憲司、以下、大和コンピューター)との農知創造研究に関する共同研究により、メロン等級判定AI(人工知能)の精度向上に寄与する生成データ拡張手法の研究開発に成功しました。

温室メロンは、国内では贈答用などに用いられる高級果実として認知されています。
そのため、大きさや糖度といった品質に加え、果実の形状が整っていることや網目の色合い、網目形状の均一さなどの外観の品質も重要視されています(図1)。
静岡大学の峰野研究室と大和コンピューターでは、網目の画像から品質を定量化することで等級判定するメロン等級判定AIを開発しております。
しかし、出荷前データの収集作業は時間がかかり、また一貫性のあるラベル付けを人手で行うのは困難であるため、等級判定AIの学習データが不足するという課題がありました。

今回、静岡大学の峰野研究室と大和コンピューターでは、メロン等級判定AIの精度向上に寄与する新たな生成データ拡張手法を研究開発しました(図2)。
この手法では、少数のラベル付け画像を学習して画像生成を行い、不整合な画像を除外することで、機械による一貫性のあるラベル付けが可能な画像生成が実現できます(図3)。
この技術を用いることで、局所的特徴を重視するFGIC分野において高精細な画像の生成を可能にし、従来の画像データのみを使用した等級判定が約81%であったのに対し、生成データを加えることで約86%に精度向上することを確認しました。

この新技術は温室メロンだけでなく、外観の品質が重要視される他の農作物や工業製品にも応用可能です。
特に、非常に細かな特徴を有する画像に対しても適用可能であることが本技術の大きな特長です。
今後は開発したデータ拡張手法を活用し、高品質な画像データの生成とAI選別の高精度化を図ることで、AI技術を用いたスマート農業への貢献を目指します。

【論文情報】

掲載誌:情報処理学会DICOMO2024シンポジウム
論文タイトル:画像生成モデルを用いたドメイン適応型データ拡張手法によるメロン等級判定モデルの評価
著者:海老沢源, 島田拓人, 平原健太郎, 小池誠, 小川晋, 野村祐一郎, 峰野博史
※本研究は、JST創発的研究支援事業(JPMJFR201B)の支援も受けて実施されました。
研究課題名:マルチモーダルフェノタイピングによる適応型情報協働栽培手法の確立
研究代表者:峰野 博史

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