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【プレスリリース】微生物群集の成り立ちを理解する新手法を開発 -微生物の「三角関係」から複雑な生態系を紐解く-
微生物は地球上のあらゆる環境に微生物群集と呼ばれる複雑な生態系をつくって生息しており、その働きは農業・排水処理といった産業のほか、地球温暖化を始めとする環境問題と密接に関係しています。
今回、兵庫県立大学 大学院工学研究科の石澤秀紘助教、静岡大学 グリーン科学技術研究所の二又裕之教授、同大学 学術院工学領域の田代陽介講師、大阪大学 大学院工学研究科の池道彦教授、井上大介准教授の共同研究グループは、こうした微生物群集の成り立ちを、微生物間の競争・協力といった種間相互作用の情報をもとに予測する手法の開発に成功しました。
この手法は、環境中における微生物群集の挙動を正確に理解することに寄与し、適切な微生物群集の利用・管理に役立つことが期待されます。
本研究成果は、米国科学アカデミーが発行する学術雑誌「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)」に2024年2月5日公開(現地時間)に掲載されました。
【研究成果のポイント】
1. 微生物群集の構造を微生物間の競争・協力といった関係性から予測する手法を開発
2. 種間の関係性を2種ではなく3種ごとに捉えることで、正確な予測が可能となった
3. 様々な環境中の微生物群集を理解し、制御する技術に向けた応用展開に期待
【概要】
微生物は地球上のあらゆる環境に微生物群集と呼ばれる複雑な生態系をつくって生息しており、その働きは農業・排水処理といった産業のほか、地球温暖化を始めとする環境問題と密接に関係しています。
今回、兵庫県立大学 大学院工学研究科の石澤秀紘助教、静岡大学 グリーン科学技術研究所の二又裕之教授、同大学 学術院工学領域の田代陽介講師、大阪大学 大学院工学研究科の池道彦教授、井上大介准教授の共同研究グループは、こうした微生物群集の成り立ちを、微生物間の競争・協力といった種間相互作用の情報をもとに予測する手法の開発に成功しました。
この手法は、環境中における微生物群集の挙動を正確に理解することに寄与し、適切な微生物群集の利用・管理に役立つことが期待されます。
【論文情報】
タイトル:Learning beyond-pairwise interactions enables the bottom-up prediction of microbial community structure
著者:Ishizawa, H., Tashiro Y., Inoue D., Ike M., Futamata H.
掲載誌:Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
DOI:10.1073/pnas.2312396121 (2024年2月5日公開)