総合研究棟 機器リスト

管理番号
[36]
機器名
超解像蛍光顕微鏡
メーカー
ライカマイクロシステムズ株式会社
機器区分
顕微鏡
設置場所
総合研究棟(大谷) 122 室
利用者区分
学内

概要

[装置概略] このシステム(SRGSD)は全反射蛍光顕微鏡(TIRF:Total Internal Reflection Fluorescence)をベースとしており、蛍光分子局在顕微鏡法(GSDIM:Ground State Depletion and Individual Molecule return)の原理を応用して超解像画像を取得することができる。

 

[測定原理] 超解像蛍光顕微鏡(Ground State Depletion and Individual Molecule return: GSDIM)は、Localization Microscopy の蛍光分子局在顕微鏡法技術を応用して、光学顕微鏡の中では最小の平面分解能(約 20nm)を備えており、通常の光学顕微鏡では見ることのできない理論分解能限界(約 200nm)より小さい分子の局在を詳細に可視化できる。 通常、蛍光分子は励起光からエネルギーを吸収することで、大多数の分子が一重項内のエネルギーシフト(基底状態(S0) → 励起状態(S1) → 基底状態(S0))を繰り返す(許容遷移)。 S1 から S0 へエネルギー準位が下がる際、数ナノ秒の時間で余剰エネルギーを蛍光として放出する。 一方、ある程度の頻度で一重項の S1 から三重項の T1 への遷移も起こっており、一旦 T1 へ遷移した蛍光分子は、S0 へ戻るには数十ミリ秒という時間をかけて蛍光を発さずに遷移する(禁制遷移)。 この原理を利用し、S0 → S1 → T1 → S0 のサイクルを繰り返すことで、一分子からのシグナルを明滅(ブリンキング)させることが可能となる。 このサイクルのうち S0 ⇔ S1 で検出した蛍光スポットから重心点を算出し、得られた点を画像上に順次プロット、総計数千枚から数万枚の画像から超解像画像を作成する。 この重心点のサイズが理論上 20nm であり、光学分解能を超えて生体の超微細構造を可視化できる。

 

[測定方法] ホールスライドもしくは 35mm ガラスボトムディッシュ等に用意したサンプルを、一般的な蛍光色素(例; Alexa Fluo488、532、568、647、Rhodamine6G、YFP 等)を用いた標準的な蛍光免疫染色法に基づいてラベルする。 封入には、メルカプトエタノールアミン(MEA)等、所定の還元剤もしくは酸素除去剤を含んだ封入剤を使用する。 顕微鏡にセットした後、対物レンズ 100 倍 × 中間変倍 1.6 倍 の倍率(160 倍)にて、超解像を取得する視野を決定する。 実際の超解像画像は、通常の蛍光像の中心部(18×18um)の範囲について取得となる。 SR GSD の画像取得アプリケーションソフトは「Preview」「GSD」「GSD-Tools」の 3 つのウィザードから成り立っており、「Preview」では超解像画像取得の参照となる蛍光像の取得、「GSD」では超解像のための条件設定および取得、「GSD-Tools」では取得し終わった既存データの再編集および数値データの閲覧等が可能となっている。 超解像画像取得中のモニターには、参照蛍光像、検出している蛍光スポット、およびリアルタイムに作成される超解像画像が表示され、サンプルの状態に応じて画像取得条件を調整しながら画像取得が可能である。

 

[応用] SR GSD は、回折限界のある光学顕微鏡では見ることができない細胞組織を詳細に観察できるため、光学顕微鏡と電子顕微鏡の分解能のギャップを埋める、重要な位置を占めている。 特に、代謝や分泌など細胞機能の過程である細胞プロセスにおいて正確に分子の局在を可視化することが可能となり、分子、組織、機能の相互作用の理解、中でも、多く研究対象とされる、エンドソーム、エキソソーム、ウィルス、核膜孔複合体、等が可視化されることにより、アプリケーションの可能性がさらに広がる。

静岡大学 グリーン科学術研究所

〒422-8529
静岡市駿河区大谷836

電話:054-238-4264
[平日 9:30〜16:30]

FAX:054-238-4312