静岡大学 グリーンバイオ研究部門

部門の目的

本研究部門には、主に3つの研究グループがあり、現在の地球環境が抱える諸問題に対して、 グリーンバイオ科学に関する基礎研究・技術創造を目指す。本部門のキーワードは、 環境ストレスとゲノム科学である。

 

【植物を用いたストレスマネジメントの開発】

温暖化などの気候変動や無計画な灌漑によって、世界各地で陸水が枯渇し、 植物生産に深刻な影響を与えている。この問題に対処するために、生理学、ケミカルバイロオジー、 生態学という異なる視点から、植物のストレス研究を進め、植物の極限環境への抵抗力を引き出す技術を開発し、 その有効性を検証するシステムの構築を行う。具体的には、ストレスタンパク質の機能解析、 ストレス耐性誘導剤の開発、ストレス下での病害虫抵抗性機構の解明、ストレス耐性植物の生態学的評価化、 新しいストレスマネジメント技術と構築が挙げられる。原教授を中心とした轟教授、 大西准教授、王准教授のグループが担当する。

 

【環境ストレスに対する動物の適応戦略】

現代社会が生み出した環境汚染、温暖化、生態系の破壊は、 動物社会にも大きなインパクトを持っている。温度変化、乾燥、化学物質、 生理活性物質、活性酸素などのストレスを受ける動物の生物学的応答を分子レベルで解析し、 その分子機構を明らかにすることで人類の健康に資すること目指す。特に、 動物体の恒常性の維持に関わる分子機構、遺伝子発現制御、クロマチン修飾、 進化と適応についての解析を行う。上述の研究グループによる植物のストレス応答との類似点を模索し、 環境ストレスに関する新しい学問分野を開拓する。山内教授を中心に 岡田講師、石原講師のグループが担当する。また、海洋の物質循環を専門とする宗林准教授が参加し、 多角的な視点を提供する。

 

【ゲノム工学による食物生産技術の開発】

温暖化、震災による塩害、放射能汚染等で悪化する地球環境とTPPによりグローバル化する農産物市場に対抗するため、ゲノム工学を駆使して、新時代を支える植物新品種の開発研究を強力に推進する。資源植物から品種改良に役立つ低コスト多収性(耐倒伏性、大粒化、高バイオマス)、適応性(早晩性)、ストレス耐性(高温登熟、耐塩性)などの有用遺伝子をゲノム解析と遺伝子工学の手法で探索・機能解明し、それら遺伝子を効果的に集積して植物ゲノムを構築するための育種工学の技術を開発する。富田教授のグループが担当する。